先日いらしたお客さんと、肩こりや腰痛の原因について話している時に、
「人間にとって、本当に自然な動きは、どんなものだろう」
という話になりました。
スポーツ選手が、無理なフォームでプレーして身体を壊したり、悪い姿勢で腰痛や肩こりを起こしたりしますが、自然な動きができれば、防げるのではないか、というのが、その話。
人間にとって、身体の方から出てくるような「自然な動き」があるのでしょうか。人間と動物を比較すると、可能性は薄いように思われます。
■本能は、便利だが不自由
自然な動きといえば、動物。
泳いだことのない犬を、いきなり水に放り込んでも溺れることはまずありません。本能の中に、犬かきの泳ぎ方が入っていて、練習しなくても泳げるのです。
その一方で、犬かき以外の泳ぎをする犬は、見たことがありませんね。
本能というのは、反射のようなもの。
鼻をくすぐるとクシャミをするとか、眠くなったらあくびが出るのと同じで、自動的に働きます。
犬は、水に入った瞬間に「犬かきのスイッチ」が入ってしまいます。
そのスイッチを自分でコントロールすることができないので、別の泳ぎを覚えることができないのです。
■人間にとっての自然は、本能ではない
たとえて言うなら、犬の本能は、家電製品のようなもの。スイッチを入れた瞬間に使えるようになりますが、設計された時の目的以外のことはできません。
比べれば、人間の方はパソコンです。最初からできることはほとんどありませんが、ソフト(今はアプリの方がわかりやすい?)を入れることで、幅広い仕事に対応できます。
そう考えると、人間にとっての自然な動きは、本能から出てくるものではないと言えます。その人の環境や目的に合わせて、学習されたものが、その人にとっての「自然な動き」になってくるのでしょう。
…でも、「自然」なはずなのに、身体を壊す人がいるのは、どうしてでしょうか?
書きたいことがまだあるので、この話、次回に続きます。