膝の痛みにもいくつかのパターンがあります。
いわゆる変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減ったことによる症状。腫れたり、水が溜まったりすることが多く、病院でレントゲンを取ると診断できます。
その一方で、膝の軟骨には異常がないのに、痛んだり、動きにくかったりするケースがあります。
そんな場合には、膝関節がねじれていることが多いです。
■膝ねじれの原因は?
膝の関節は、まっすぐに前後に滑るようにできています。しかし、膝が痛い方では、少しねじれるようになっている場合が多いのです。
いままで見てきた限りでは、膝のねじれには、足の歪みが関わっています。
捻挫や使いすぎで足関節を傷めたときには、内くるぶしの周辺が固くなることが多いのです。すると足首を伸ばした時に、足先が内側に向いてしまいます(カマ足)。
歩行時に蹴りだしの位置が内側に移動するので、膝関節は外に向かってねじれてしまい、痛むものと考えられます。
足関節を治す際には、セットで膝を調整する必要があります。
治療はTAMによる関節リリースです。靭帯の癒着をとって、正しく動けるように治療を行います。膝関節はシンプルなようでいて、靭帯が厚く強いため、数回の治療を必要とすることが多いです。
施術後は可動域が広がり、膝の重さや痛みがとれるというのが、患者さんの感想。
■バレエのレッスンに、もの申したい
特殊な例として、バレエダンサーの膝故障について。
バレエの場合は、レッスンが原因で膝を故障している人が、少なくありません。
バレエで多用される、つま先を外に向ける動作(ターンアウト)。正しくは股関節を外にねじって、つま先を外に向けるのですが、動作の完成を急ぐあまり、膝から下を外に向けてねじってしまうことが多いのです。
もちろん、膝には大きな負担がかかります。
バレエダンサーのひざ故障の、半分以上はこのねじりが原因です。何年も故障を繰り返しながら練習しているので、重症化していることも多いです。
正しく外旋する習慣をつければ、確実に防げる傷害なのですが、発表会やコンクールを急いでしまう教室が多く、見逃されがち。
親御さんには、こうしたレッスンをしっかりしてくれる教室を選んでいただきたいと思います。