昔から不思議に思っていたことがあります。それは
「年齢が上がるごとに、睡眠時間が短くてすむ」
という説です。
しかし実際は、歳をとるほど、疲れが取れにくいという方が多いです。疲れが取れないのなら、かえって睡眠時間は長くなければおかしいですよね。
疲れているのに睡眠時間が短いのだとしたら、それは「眠れない」のではないでしょうか?
■歳をとるほど眠れない理由
眠れなくなる理由の一つは緊張です。
遠足や、受験の前の日。なかなか眠れなかった経験を持つ人は多いと思います。緊張しすぎると、脳の活動が下がらないために、なかなか睡眠に入れないのです。
これは、精神的な緊張だけでなく、肉体的な緊張でも同じです。
筋肉は、運動神経や感覚神経を通して、脳と情報を交換していますが、緊張が強くなるほど情報交換の量は増えます。つまり、身体が緊張するほど、脳は休めなくなるわけ。
大人は、日常の生活で、身体のあちこちに習慣的な緊張を抱えています(肩コリや腰痛も、その一つ)。癒着もあり、子供ほど身体が柔らかくなくなってしまうので、子供のように眠れないわけです。
逆に言えば、ゆるめれば、眠れるわけです。
■ゆるめれば、健康寿命が伸びる
マッサージ中、肩コリなどがある程度ゆるんでくると、患者さんが眠ってしまうことが少なくありません。帰り際に、
「これで、帰ってぐっすり眠れる…」
とおっしゃる方も少なくありません。
これは、身体の緊張と睡眠の関係を証明するものと言えるでしょう。
ゆっくり眠れるようになると、疲れがとれ、身体が回復してきます。高血圧、心臓疾患などは、疲れを原因とすることが多いので、健康寿命を延ばすにも役立つでしょう。
緊張をゆるめるには、マッサージを受けるのも良い方法です。
それに加えて、自分自身で身体をゆるめる練習を、生活に取り入れたいところ。
簡単な方法としては、横になり、目を閉じて自分の身体の状態を感じる方法があります。力が入っていると感じられると、自然にゆるんできます。
体系だてて知りたい方は「自律神経訓練法」で検索すると、いろんな方が解説してくださっています。