前回、低炭水化物ダイエットの話を書きました。
確かに、炭水化物は肥満の要因の一つではありますが、食べたら必ず太る、というわけではありません。
炭水化物が好きでも、太っていない人はたくさんいるのです。
■大阪人は、「粉もん」を食べて、なぜ太らない?
大阪といえば、たこ焼き、お好み焼きなどの「粉もん」。うどんも好きで、うどんに白飯を添えた「うどん定食」が存在します。
「大阪人にヨウ素液を掛けたら青紫色になる」
と笑いのネタにされるほど、炭水化物好きの大阪人。だから太っている人の比率が高いと思ったのですが…違いました。
肥満が多いのは、まず沖縄。それから、東北と九州の県。
大阪は中間グループで、思ったほど高くはありません(厚生労働省「都道府県別の肥満及び主な生活習慣の状況」より)。
粉もんを好んで食べるのに、なぜそれほど肥満者が増えないのでしょうか? 食生活からヒントを探してみます。
■野菜で炭水化物の吸収を防いでいる?
炭水化物が脂肪になるのは、血糖値が急速に高くなったときです。
炭水化物(ブドウ糖)が一気に吸収されると血糖値が急上昇。これを「血糖値スパイク」といいます。
膵臓からインシュリンが分泌されて、多すぎる糖分を脂肪細胞に取り込みます。
逆にブドウ糖の吸収がゆっくりだと、すぐに消費されるので、血糖値が上がらず太りにくくなります。(糖質スローオン)
この原理を利用したのが「野菜を先に食べるダイエット」。食物繊維が多い野菜を先に食べ、あとから炭水化物を食べることで、消化吸収を遅らせる方法です。
一時期流行した「低GIダイエット」も、ほぼ同じ原理。
粉もんを食べながら太らない大阪人は、食物繊維をたくさん摂っているはず…! と思って調べたら、野菜の摂取量は最下位に近いところでした。食物繊維説、大失敗。
ほかに何かヒントはないかと統計をパラパラ見ていたら、調味料の項目に目が留まりました。大阪は、砂糖と塩の消費量が、どちらも最下位グループなのです。
■料理の砂糖がキー?
関西は薄味文化。塩分を控えめに、ダシの旨味で料理の味を調えます。この場合、砂糖はそれほど必要ありません。
逆に、塩分の多い味付けをする地方では、味のバランスをとるために砂糖を大量に入れなくてはなりません。
砂糖のような糖分、しかも水溶液は吸収されるのが早く、血糖値を上げやすいのです。
料理に大量の砂糖が使われていると、まず砂糖から吸収され、血糖値を上げます。そこにご飯が消化されたブドウ糖がやってくるのですから、血糖値はさらに上昇。血糖値スパイクが起きて、脂肪に変わる量が増えるわけです。
ファストフードと甘いソフトドリンクの組み合わせが太るのと同じ原理ですね。
ということで、大阪で肥満がそれほど増えないのは、砂糖の少ない薄味によるものだと考えられます…確証はありませんけど。
炭水化物が大好きな人(私もそう!)は、ダイエットが必要になったら、まず食事から砂糖を減らして薄味にするところから始めるのはどうでしょうか?