前回、毎日歩いている人が腰痛になりにくいのは筋肉を緊張させないからだ、と書きました。
実は、歩くことが腰痛の予防になる理由がもう一つあります。
腰痛の原因の一つ、仙腸関節
仙腸関節は、骨盤と背骨の継ぎ目にある関節です。
この関節、上半身の体重を支えつつ、衝撃を下半身に伝える重要な関節なのですが、ズレたり、引っかかったりすると腰の動きが阻害され、腰痛を始めとする不調の原因になります。
AKA(関節運動学的アプローチ)は、その仙腸関節を調整することで有名ですし、もちろん八起堂治療院のTAMでも、仙腸関節の調整は基本の治療となっています。
この関節のズレ、引っかかりをとると、腰の負担が減り、慢性の腰痛に有効です。
実は、この仙腸関節を支えるのが足の筋肉なのです。
仙腸関節を支えるのは足の筋肉
右の図を御覧ください。
背骨を支えるのは、骨盤の真ん中(仙骨)。
足が支えるのは、骨盤の両側。
骨盤の真ん中は、常に体重で押し下げられています。
その押し下げを受けて、支えているのは、骨盤から足につながっている筋肉。骨盤の両側を引くことで仙骨を押し上げています。このバランスが保たれているとき、仙腸関節は健康に働いています。
ところが、足の筋肉が弱ると、骨盤の真ん中が下がりやすくなり、仙骨が落ち込んだり、引っかかったりしやすくなるのです。
これが腰痛の原因の一つ。
また、仙骨が下がった状態では、骨盤の下側が開くので、内蔵を支える力が弱くなるとも言われています。足腰の健康を保つためにも、内臓の健康を保つためにも、足の筋肉は重要。
足を鍛えて、腰痛予防
そんなわけで、よく歩くことで足の筋肉が丈夫だと、腰痛になりにくいのです。狩猟民の人たちが腰痛を起こさない原因の一つです。
腰痛を予防したい方、なるべく多く歩くことが、予防になります。
たくさん歩く時間がない場合には、階段を使うのはどうでしょうか。上り、降りともに強い負荷がかかるので、筋肉を鍛えるのに最適です。