腫れのない膝関節痛は、靭帯から治す

 膝が痛むとき、まず最初に疑うのは「変形性膝関節症」。膝関節の軟骨がすり減って炎症を起こし、腫れて痛む症状です。
 ところが、軟骨に損傷がなく、腫れも無いのに痛みがある場合もあります。

 こうした場合、軟骨ではなく、靭帯が原因になっている可能性があります。

「ねじれ」からくる膝関節痛の対処法

  膝が痛むという方に、足を持ち上げた状態で(つまり体重をかけずに)屈伸してもらうと、膝の下側、脛骨のでっぱりがわずかに外に向いていることがあります。これが膝の「ねじれ」です。

 原因は、足関節の歪みなどで、下肢が外に向けてねじられること。特に、つま先が内側に向かう「かま足」の方に多いです。
 また、バレエをやっている方では、膝から下を外にねじる動作が原因になっていることもあります。

 こうした場合、靭帯が本来の位置と違うところに貼りつきを生じているので、関節の動きが不十分になり、引っ張られて痛んだりするのです。

 治療は、膝関節の方向を調節しつつ、テンションをかけて動かし関節靭帯の癒着を取ることです。

靭帯からくる膝関節痛の予防

  痛みが出てしまっているときには、専門的な治療が必要です。

 予防には、ときどき膝関節の靭帯をリリースしてやることが有効。

 方法は、高めの椅子に座り、他の人に足首をもって下に引っ張ってもらうこと。引っ張ったまま30秒待ちます。
 時間をかけて引き延ばすことで、固くなった靭帯に余裕ができます。

 また、膝痛が起きる場合、ほとんどの方で足首の固さ・歪みが見られます。膝痛を何度も繰り返す場合には、必ず足関節の治療が必要です。