腰痛対策として、昔から言われているのが「腰痛体操」ですね。
昔から言われているのに「腰痛体操で腰痛が治った」という人は、多くありません。なぜでしょうか?
それは、今までの腰痛体操が、古い理論に基づいているからです。
■腰痛の理論が変わった!
何年か前まで、腰痛の原因は、脊椎(背骨)が傷んでいることだと考えられていました。そこで、腰のまわりの筋肉を鍛えて脊椎を守ろう、という腰痛体操が生まれたのです。
しかし近年の研究で、腰痛の9割以上が脊椎に問題がないことがわかってきました。それどころか、多くの腰痛が、筋肉の緊張による痛みであるとわかっています。
筋肉の緊張が原因ですから、緊張をゆるめる体操が必要です。
■緩める感覚を作る腰痛体操
誤解のないように書いておくと、筋肉を鍛える事自体は悪くありません。鍛えた後に、筋肉をゆるめるのがポイントです。
代表的な腰痛体操を元に、解説します。
仰向けに寝転んで、膝を立てます。その状態で、背中を持ち上げるように、背筋にギュッと力を入れます。(この時、お尻を浮かせないように)。
次に、息を吐きながら背中をストンと落とします。ゆっくりと息を吐き続けながら、背中の力が抜けてゆくのを感じます。そのまま、ダラーンとして10秒くらい。
ある程度ゆるんだ感じがしたら、もう一度上げて、落とす。これを、何度か繰り返します。
お尻を浮かせないようにするのは、背筋の緊張をわかりやすくするため。一度、背筋を強く緊張させることで、そのあと力を抜きやすくなります。
脱力すると眠気が出ますので、眠る前が最適です。
人間には本能的な動作は少なく、環境や意思によって後天的に得る動作のほうが多い、というのが、前回の話でした。
今回は、後天的な環境に合わせたはずの動きが、なぜ腰痛や肩こりを起こすのかについて。
■肩こり、腰痛の原因は、体幹が動かないこと
人類の歴史をみると、採集や狩猟で、一日歩き続ける生活を続けてきたようです。立ち続けたり、座り続けたりという現代人の生活は、そもそも不自然で、それが健康をそこなう元になっているわけです。
デスクワークでも立ち仕事でも、使うのは主に肩から先だけですし、足は立っているだけ。体幹部は、手足の土台として動かさないことが多いのです。
動かないままの体幹部は、緊張が解けず痛み出す…これが、肩こり腰痛です。
重労働をしない生活では、体幹部の力を使わなくても、手足を動かすだけで事足りてしまいます。後天的な生活の中で、体幹部を使う方法を身につける機会がないのですね。
■急に話は飛びますが
「站椿(たんとう。別名、立禅)」という稽古があります。もとは中国の武術・健康法ですが、少し膝を曲げ、手はものを抱えるような形にして立ち続け、身体の感覚と向き合う練習です。
練習中、体幹をゆるめ柔らかく保つと、バランスをとる小さな動きの繰り返しで体温が上がり、早足歩きくらいに呼吸が上がってきます。
体幹部が動いて、これだけのエネルギーを使うのが、本来の姿というわけです(余談ですが、この揺れる站椿を毎日続けると、はっきり体重が落ちます)。
「体幹部は動く」というイメージがはっきりしてくると、肩も背中もやわらかくなってくるようです。
■そこで最近の治療では
癒着をとるだけではなく、固まった筋肉に動きをつけてやる操作をしています。
痛みの改善率が上がるだけでなく、何回か通ってくださった方では「腰痛が起こらなくなった」とおっしゃってくださることが増えました。
筋肉が柔らかさを思い出すのでしょうか。
こり、腰痛でお悩みの方。
立ち仕事、座り仕事は減らせないかもしれませんが、体操でもなんでもやってみて、体幹部の動きを思い出すのはいかがでしょうか?
先日いらしたお客さんと、肩こりや腰痛の原因について話している時に、
「人間にとって、本当に自然な動きは、どんなものだろう」
という話になりました。
スポーツ選手が、無理なフォームでプレーして身体を壊したり、悪い姿勢で腰痛や肩こりを起こしたりしますが、自然な動きができれば、防げるのではないか、というのが、その話。
人間にとって、身体の方から出てくるような「自然な動き」があるのでしょうか。人間と動物を比較すると、可能性は薄いように思われます。
■本能は、便利だが不自由
自然な動きといえば、動物。
泳いだことのない犬を、いきなり水に放り込んでも溺れることはまずありません。本能の中に、犬かきの泳ぎ方が入っていて、練習しなくても泳げるのです。
その一方で、犬かき以外の泳ぎをする犬は、見たことがありませんね。
本能というのは、反射のようなもの。
鼻をくすぐるとクシャミをするとか、眠くなったらあくびが出るのと同じで、自動的に働きます。
犬は、水に入った瞬間に「犬かきのスイッチ」が入ってしまいます。
そのスイッチを自分でコントロールすることができないので、別の泳ぎを覚えることができないのです。
■人間にとっての自然は、本能ではない
たとえて言うなら、犬の本能は、家電製品のようなもの。スイッチを入れた瞬間に使えるようになりますが、設計された時の目的以外のことはできません。
比べれば、人間の方はパソコンです。最初からできることはほとんどありませんが、ソフト(今はアプリの方がわかりやすい?)を入れることで、幅広い仕事に対応できます。
そう考えると、人間にとっての自然な動きは、本能から出てくるものではないと言えます。その人の環境や目的に合わせて、学習されたものが、その人にとっての「自然な動き」になってくるのでしょう。
…でも、「自然」なはずなのに、身体を壊す人がいるのは、どうしてでしょうか?
書きたいことがまだあるので、この話、次回に続きます。
腰痛や肩こりの患者さんの治療。
八起堂では、筋肉や関節の引っかかりをとることで治療するのですが、もう一つ大事にしているポイントが有ります。それは、皮膚。
■皮膚と骨とが貼りつく場合
とくに皮膚の動きが悪くなっているのは、骨を触れる場所。
背骨の出っぱり(棘突起)と、肩甲骨の突起(肩甲棘)、あとは骨盤のフチ。この三箇所で皮膚が動かないために、体幹部の動きが制限されている方が多いのです。
肩甲骨が動かなければ、肩こりになりますし、骨盤のフチが突っ張ることは、腰痛の原因にもなります。
背骨の出っ張りは、どちらにも。とくに、首に近い部分での貼り付きは首の疲れに影響しています。
■治療は簡単
治療そのものは、動かない部分の皮膚に手根をあて、すべらせるだけ。うまく癒着が取れる時には、しばしばポンとかバリバリという音がします。
決して難しくはないのですが、場所が場所だけに、自分で行うことができません。信頼できる施術者に頼みましょう。
施術者の方は、勢い余って肋骨に力がかからないように注意して下さい。
「年齢は背中に出る」と言われています。
姿勢が悪いと、肩こりや腰痛の原因になるだけでなく、老けて見えます。逆に、背筋がスッと伸びた立ち姿は若々しく見えるもの。
しかし頑張って背中を伸ばそうとしても、すぐ元通りになってしまう、という人は多いはず。
■背中が丸くなる原因は「かかと体重」
実は、立ち姿は体重の位置で決まります。
背中が丸くなる人は、足のかかとで立っていることが多いのです。かかとに体重がかかると、後ろに倒れるのを防ぐために自然に上半身を前に倒してしまいます。その結果が猫背です。
逆に、つま先側に体重がかかると、上半身は反り、スッと背中が伸びた姿勢になります。
以前も書きましたが、この原理を応用しているのが、女性を美しく見せるというハイヒール。かかとが高くなることで体重が足先にかかり、背筋が伸びるのです。
とはいえ、いつもハイヒールを履いているわけにはいきませんね。男性ならばなおのこと。
■ふくらはぎを伸ばせ!
ハイヒールよりももっと簡単に、体重の位置を変える方法が、ふくらはぎのストレッチ(筋膜リリース)。
ふくらはぎにある腓腹筋、ヒラメ筋が伸びると、足首が深く曲がるようになります。すると体重のかかる位置が前に移動し、背中が伸びてくるのです。
ストレッチ方法は、いわゆる「アキレス腱伸ばし」のポーズです。伸ばした状態を保ったまま、30秒静止、左右で合わせて一分間。
直後から立ち方の変化が実感できます。もちろん、一回だけでは時間とともに戻ってしまいますが、一日に1,2回のストレッチで変化を保つことができます。
なお、しばらく続けても足首が深く曲がらない時は、足関節が固くなっている可能性があります。「足の治療について」で紹介している足首回しを試してみてください。
何回やってもうまくいかない時は…TAMで癒着を開放する方法も。
どうぞ、ご相談下さい。
先日、久しぶりにいらした患者さんが、
「他の治療院に、浮気してませんから」
とおっしゃってくださったのですが…。
良いんじゃないでしょうか。治療院を浮気しても。
■「何にでも効く治療」は、無い!
昔から、「万能薬は何にも効かない」と言われています。
治療家というのは、一人一流と言われています。それくらい、治療家によって持っている技術は違いますし、得意分野も違います。そして、一つの技術を追求すればするほど、専門的になります。
例えば八起堂は、八起堂の得意分野は筋膜や関節の癒着リリース。肩こりや腰痛、足からの身体バランスの改善などで、かなり高度な治療ができると自負してます。
とくに、足のねんざ後遺症に関しては、足根骨の一つ一つまで分解するように調整し、動きを改善することができます。
その一方、リンパマッサージでは、ごく一般的な技術しか持っていません。むくみをとるなら、八起堂より優れた治療院はたくさんあります。
さらに言えば、東洋医学は完全に専門外。「気の流れを整えて下さい!」と言われても、期待には応えられません。
■治療院は使い分けましょう!
病院に行くとき、目が悪い時は眼科、鼻が悪い時は耳鼻科に行きますね。治療院も同じように、
「この痛みにはこの治療院、この不調はあっちの治療院」
と使い分けて良いのです。
だから、治療院は大いに浮気して下さい。ちょっと通って、合わなければやめてもいいし、気が向いたら戻っても構いません。治療院の側もそれはわかっていますから、しばらく通わなかった人が来ても、気を悪くしたりしません(逆に、それで怒るような治療院なら、お山の大将です)。
ただ、一つだけ避けてほしいのが、力任せに揉む店。
コリが強いからと言って、強く押しても、効きません。筋肉は、防御反応でかえって固くなってしまうからです。それでも押し込むと、筋肉がつぶれ、挫滅して繊維化を起こしてしまいます。
使い分けていい。でも、信頼できる治療院を選んでほしい。
それが、お願いしたいことです。
ハイヒールが外反母趾を起こすのは、足先の締め付けによるものとされています。親指が、外側に向かって押しつけられるからです。しかし実際には、もう少し複雑なメカニズムがあります。
■指の筋力が、関節を変形させる
足の親指を曲げる筋肉は、主に足の裏にあります。この筋肉が、腱を引っ張り、その先にある指を曲げるのです。
この腱は、正常な状態では、指の真下を通っていて、まっすぐに指を曲げます。
さて、ここで先のとがったハイヒールを履くとどうなるか。
足の親指は、根本から大きく外側に曲げられ、腱の付着部も外側にズレます。こうなると、指を曲げるはずの筋肉の力は、ズレた腱によって指を内側に向けて引っ張ることになります。
とくにハイヒールは、普通の靴にくらべて指先の加重が大きくなっています。普段より強い力が、足指を外側に曲げるために使われるのです。外側に引っ張る力は、曲がれば曲がるほど大きくなるので、外反がある程度まで進むと、一気に進行します。
■外反母趾を防ぐ歩き方
それでも、ハイヒールを履きたいという方は、いくつかのことに気をつければ予防することができます。
まずは、できるだけ先の丸い靴にして、つま先が締め付けられないようにすること。これは絶対。
もう一つは、歩き方です。
つま先を少し外に向け、足の内側を押し出すように一直線上を歩きます。
足の親指は、全ての指の中で、もっとも強く体重を支える指です。そのため、体重のかかる場所を支えるように動きます。
つま先を外に向けた状態では、体重はかかとから足の親指側に抜けてゆきます。親指は、地面を強く蹴り出すために内側に向かって(指を開く方向へ)踏ん張る力が働きます。この力は、外反母趾を防ぐ方向に働くので、予防に効果的です。
この歩き方の効用は、それだけではありません。つま先を少し外に向ける歩き方は、ハイヒールを履いた足を、最も美しく見せる歩き方とされているのです。
キレイに見えて、しかも健康。この歩き方、練習して損はありませんよ。
確定申告も終わって、ようやく一息つきました。忙しいのと重なって、ブログ更新が遅れてしまいました。来年は早く始めようと思います…と毎年言っていますが、毎年こんな調子ですね。
さて。
街のリラクゼーションマッサージなどで、事故が多い、というニュースがネットで出ています。多いのは、骨折と頚椎損傷。
こうした事故の原因は、ひとえに「強すぎる」ことにあります。
■「強さ」の誘惑
施術をしていて、うまく効果が出ない時、施術者は「もっと強くしたら効くのではないか?」と、つい考えてしまいます。ここで、強さの誘惑にのってしまうと、事故を起こします。
効果が出ないときには、力を強くするのではなく、別の方法を試すことです。
例えば指圧なら、押している場所や方向、速度、持続時間などを変えます。それでダメならリンパマッサージや、筋膜リリース、鍼灸、あるいはTAM(笑)にと、施術方法を変更する。それでもダメなら施術をやめて病院などを紹介することも。
大事なのは、多くの選択肢を持っていることです。一つの症状をさまざまな面から見られることは、治療をする上でも、事故を避けるためにも必要。
施術中の事故が、リラクゼーションやボディケアなどで多いのは、アルバイトスタッフが「一つの技術しか教えられていない」からではないかと考えられます。選択肢がないので、強くする以外の方法を思いつかず、事故に至ってしまう可能性が高くなるのでしょう。
■重要なのは「選択肢をもっていること」
ここまで書いてきて、ふと思ったのですが、児童虐待もこれと同じ構図ではないでしょうか。
虐待をした親の多くが「しつけのつもりだった」と言います。
しつけにも、褒めたり、ルールを作ったり、ノせたりと、いろいろな方法があります。また、ある程度は理解して諦めることもあるはず。
ところが、怒鳴る、叩くなどの罰を与える方法しか知らないと、子供が思い通りに動かないときに、罰を強くすることしか思いつけなくなります。エスカレートした罰は、やがて虐待に至ります。
選択肢を複数持っていることは、とても重要なのです。
八起堂治療院でも、鍼治療は行います。
メインになるのはトリガーポイント鍼治療。筋肉の中にできるコリの固まりに鍼を打ち、緩める治療です。
腰痛の患者さんなどには極めて有効で、あっという間に痛みを減少させることができます。
トリガーポイント鍼治療では、筋肉の中にあるポイントに鍼を届かせる必要があるので、3~5センチと深く鍼を打ちます。そうでなければ、効きません。
■鍼は浅く打っても効く
しかし、場所によっては、鍼を浅く打つこともあります。それも、切皮という2~3ミリしか刺さない打ち方。
狙うのは、皮膚に違和感を感じるところ。緊張しているというか、動きが少ないというか、他とはちょっと違う感触の場所に浅く打つと、周辺の筋肉が緩みます。
痛みもリスクもほとんどないので、主に上半身で便利に使っていますが、困っていることが一つ。こんな浅い鍼がなぜ効くのか、理論がわからないのです。
■体壁内臓反射という説
3ミリといえば、皮下組織を通っているかどうかの浅さです。筋肉には全く届いていないのに、筋肉に作用する不思議。トリガーポイントの理論では説明できません。
「体壁内臓反射」と言われる説があります。
神経は脳から手足の末端まで、枝分かれしながらつながっています。近い神経枝との間で混線が起こると、内臓の異常が皮膚に伝わったり、皮膚の刺激が内臓に伝わったりするというのが、体壁内臓反射説のあらまし。鍼灸や指圧を現代医学的に考える際に、使われる理論の一つです。
私の見ている皮膚の感触も、筋肉の緊張が皮膚に伝わり、立毛筋などを緊張させて異常な感触を生じると考えれば、納得がいきますね。
■説明不足!
ただしこの説には、致命的な欠陥があります。
内臓(筋肉)の緊張が皮膚に伝わるところまではわかります。皮膚の刺激が内臓に伝わることも理解できます。しかし、鍼の刺激がプラスに作用する理由がわかりません。
普通に考えれば、より緊張しても良さそうなものではありませんか?
そんなわけで、なぜこの鍼が効くのかは今でもわからないまま。はっきりすれば、さらに効果的に使えると思うのですが…。
前回は、子供の身体で癒着が生じて固くなることについてお話しました。しかし、固くなる原因は他にもあります。むしろ、こちらのほうが深刻かもしれません。
■ストレスが身体を固くする
子供の頃、声の大きな先生が怒ると、緊張して体が固くなったりしませんでしたか? また、失敗してはいけない状況で、肩に力が入ったり。恐怖や、プレッシャーのかかる状況になると、筋肉に力が入ってしまうものです。
ストレスがかかるのが短時間だと、すぐに筋肉が緩んで解消します。しかし、長時間ストレスが続くと、力が入っているのが習慣になって、戻りません。大人の肩こりや腰痛と同じです。
■固いと実力が出せない
緊張した子供の動きは固く、ぎこちなくなります。
別のところにも書きましたが、コーチが怒鳴りちらす人だったため、けが人だらけだった野球チームを見たことがあります。成績も振るわないままでした。
強いストレスは、一時的には気持ちを引き締める効果があるかもしれません。しかし、気持ちだけではなく筋肉も引き締まって、固くなってしまいます。長期的に見れば、ケガが増えます。
また、後ろから追い立てられるようなストレス下では、自分で考えて工夫する余裕がありません。優秀な選手にマイペースな人が多い理由は、こんなところにあるのでしょう。
子供の身体が固い、動きがぎこちない時には、何かストレスがかかっていないかを考えてみても良いかもしれません。
小3の娘は、なかなか眠らない子供です。赤ちゃんの頃から、ほとんど寝落ちしたことがないという本格派。
あまりにも寝付きが悪い時には、緊張を解く施術で、寝付かせることがあります。先日も背中を軽くなでてやったら、
「あー、気持ちいい」
って、仕事疲れのOLか!
ついでにTAMの要領で肩を動かしてみたら、意外にもパリパリ音がして、軽く動くようになりました。ということは、子供の関節でもすでに軽い癒着が生じているということ。
関節で癒着が生じる原因は、繊維タンパク質の沈着によるもの。この原理は、大人でも子供でも変わりないので、癒着が生じてもおかしくいないわけです。
というよりも大人になるにつれて身体が固くなってゆく要因の一つは、こうして使わない部分に沈着してゆくタンパク質によって構造が完成してゆくからではないかとも思われます(もう一つは、筋肉の使い方が決まって動く範囲が決まってくるから)。
ときどき癒着をとってやることは、子供の成長の上で役に立つと思われます。
…ただ、人によるとは思います。
私が子供の頃は身体がバリバリに固くて、前かがみで指先が床につきませんでした。今の方が柔らかいくらい。
身体の使い方次第で、リカバリーもきくのです。
少し前に「マッサージでダイエットできるか?」という一般公募実験をしまして、何人かの勇者が名乗りを上げてくださいました。
生活は何も変えないという条件で、週一回、三回マッサージする実験の結果は、増えたり減ったり。個人差があって、効果があるとはいえませんでした(筋膜リリ-スを毎日10分、6ヶ月で10キロ痩せた、という報告があるので、回数が少なかったのかも。しかし半年間、毎日施術は無理!)。
しかしその中でお一人、面白い体験をした方がいらっしゃいました。
マッサージを受けるたびに、トイレで出るもの(大小とも)の色、匂いが、いつもとぜんぜん違ったというのです。三回ともそうだったというので、偶然ではなさそう。
「毒が出た感じがする!」
というのが、感想でした。
マッサージで、「小」が増えるのはよくあることです。リンパ液の流れが良くなるので、筋肉の間や皮下組織に溜まっていた水分が出てくるのです。また、組織間にあった老廃物が動かされ、一度に排出されるため、尿の色が変わることもあります。
「大」の方は、短時間のマッサージで成分が変わることは考えにくいです。しいて言えば、マッサージにより自律神経が刺激され、腸が活発に動き出したため、普段と状態が変わった可能性がありますね。
構造に働きかけるマッサージは、血液や神経の状態を変え、不要なものの排出を促す可能性があります。
とはいえ、ここまで極端に反応するのは稀なケース。めったに起こることではないので、その点ご了承下さい。
このところ健康番組などで話題なのが、筋膜リリースなどの筋膜治療。筋膜とは、筋肉の表面を覆っている膜です。
■筋膜とは?
筋肉は、筋繊維と言われる細長い細胞で出来ています。たくさんの筋繊維のまとまりを包んでいる膜が、筋膜。フィルムで包んだソーセージを想像してもらうと、わかりやすいかもしれません。
筋肉を包んでいる筋膜の他に、内臓を包んでいる胸膜や腹膜、皮膚の下で、ひとつながりに全身を包んでいる皮下組織の膜も、まとめて筋膜と呼ばれます。
さてこの筋膜、状況によっては縮んで固くなったり、膜どうしがくっついたりします。そうなると姿勢を歪めたり、動きを妨げて痛みや疲れの原因になります。
こうした筋膜を正常に戻そうとするのが、現在言われる筋膜治療なのです。
■筋膜の治療法は?
筋膜の治療にも、いろいろな方法があります。
・のばす
最もメジャーな方法で、いわゆる筋膜リリースの中心となる技術です。縮んだ筋膜に連続的な力をかけてストレッチします。
・分離する
筋膜どうしがくっついているときに、隙間を開いたり、ずらすように動かすことで分離し、自由に動けるようにします。
・その他
鍼で刺し、壊して新しく再生させる方法や、お灸の熱で血行を増やし、伸ばしてゆくという方法をとる人も。
八起堂の筋膜治療は、TAM手技療法でくっついた筋膜を分離する方法が中心。あとは要所要所をピンポイントで伸ばす方法を併用します。ごくまれに、鍼を使ってほぐす場合もありますね。
筋膜治療は、一見簡単そうに見えます。しかし、深部の筋膜や、関節の周辺の筋膜などは、人体の構造を知らなければ施術を届かせることができず、癒着や短縮が残ってしまいます。入りやすく、奥が深い治療法だといえます。
以前は病院でも治療院でも、筋肉や骨、神経だけが治療対象とされ、筋膜・靭帯はほとんど無視される存在でした。筋膜治療が一般に行われるようになって選択肢が広がり、これまで治らなかった不調も治せるようになってきています。
これまで何年も筋膜や靭帯の癒着を治療してきた者としては、世間の認知度が広がってくれて、ようやく肩身が狭い時代が終わった気分です(笑)。
呼吸は胸式呼吸と腹式呼吸に分けられます。腹部を動かすのが腹式呼吸で、肋骨を動かして呼吸するのが胸式呼吸。
今回の話では、肋骨を動かす胸式呼吸がポイント。
■姿勢と肩こり
筋肉や筋膜は、使わないと短縮して固くなります。それは、肋骨を取り巻く筋肉も同じ。筋肉が固くなると肋骨の間が広がりにくくなります。
呼吸がしにくくなるのはもちろんですが、胸が膨らまないので、姿勢が前かがみになり、背中が丸くなってしまいます。
肩こりにも影響します。首の筋肉には、肋骨から始まる筋肉が何本もありますし、肩甲骨を動かす筋肉も、肋骨についています。肋骨の動きが固くなると、首や肩甲骨を動かす筋肉も緊張しがち。肩・首がコリやすくなります。
■深呼吸で美しく、楽に!
ではどうするかというと、一番簡単な方法が深呼吸。
背中をそらすように大きく息を吸い込んで、10秒くらい止めます。止めるのは、筋肉にストレッチの時間を与えるため。
TAMの理論で言えば、胸の筋肉などにテンションを掛けた方が効果が上がるので、両肘を後方に引くようにした状態で、深呼吸します。
首、肩コリを感じた時に、試してみてください。緊張した筋肉が緩み、胸が広がるのがわかります。首のコリも軽減しますよ。
付記
名古屋の治療家C先生から、背中が丸くなった高齢の方でも、深呼吸が有効だったというご連絡を頂きました。
脊椎の可動性改善と脊柱起立筋マッサージの後、両腕を後ろに引き胸を広げる形で深呼吸を深く行うことで、丸くなった背中に改善が見られ、体幹のバランスがよくなったとのことです。
他にも使ってみた方がおられましたら、ご感想などをいただけると幸いです。
前回書いた「世界一寒さに強い男」ヴィム・ホフさんの、寒さ対策の秘訣は、精神のコントロールと呼吸法だとのことでした。
その呼吸法は、ゆっくり大きな深呼吸を15回、素早い深呼吸を30回、大きく吸って息を止めるのを2回(詳しく知りたい方は、「ヴィム・ホフ」で検索してみてください)。
試しにやってみると、すぐに足先の温かさを感じました。ヴィムさんの言うような精神のコントロールはできてないので、深呼吸の作用だと思われます。考えられる可能性は三つ。
ひとつは、深呼吸で十分に酸素を取り込んだことで、発熱が起こっている可能性。それにしては少し早すぎる気がしましたが…。
ふたつ目は、深呼吸でリラックスしたことで、手足の血管が開いた可能性。手足の毛細血管は自律神経にコントロールされていて、リラックスすると血流量が増えます。
三つめの可能性は、深呼吸で内臓が大きく動いて、その圧力変化で血液が手足に送り出された可能性。
深呼吸は別名「内臓のマッサージ」と言われています。圧力の変化でも血流が増えますし、とくに腹式呼吸では大きく上下することで位置も変わります。
ヨガ、太極拳、気功など、呼吸を大事にする健康法が多いのは、この内臓マッサージ効果もあると考えられます。
どれが理由であるかはわかりませんが、少なくとも深呼吸をして悪い理由はありません。おすすめです。
なお、深呼吸にはもう一つ効果があることがわかったので、それは次回に。
前回、身体は、カロリー消費を減らす方向へ進化してきたという話を書きました。その関連で雑談をいろいろ。
■寒さダイエット
南極越冬隊の消費カロリーは、一日4000キロカロリー。常人の二倍という話は前回書いたとおりです。寒いと、寒さに耐える発熱で、カロリーを消費します。
ということで「寒さを我慢して痩せよう」というダイエットがあるそうです。理論的には効果があるはずですね。ただし、食欲という問題があります。
南極越冬隊や冬山登山では、極端に脂肪の多い食料を持ってゆくことがあります。普通なら気分が悪くなりそうな脂量でも、寒さで味覚が変わり美味しく食べられるとのこと。つまり、寒いほど高カロリーのものを食べたくなるというのが本能なのです。その食欲に耐えきれれば、結果を出せるかもしれません。
なお、低温を我慢すると血圧が上がりやすいので、血圧や心臓に問題のある方は注意して下さい。
■寒くても平気な人
生まれつきなのか、訓練なのか。寒くてもしもやけにも凍傷にもならない人がいます。
オランダ人のヴィム・ホフさんは、世界一寒さに強い男として、ギネスブックの記録をいくつも持っています。氷の中に1時間以上座っていたり、パンツ一丁で冬のキリマンジャロに登ったりと、寒さ冷たさに影響を受けない特技の持ち主です。
「呼吸法と精神のコントロールで体温を上げることができる」と言うのが、ヴィム・ホフさんの主張。
科学者が調べた所、褐色脂肪細胞という細胞が、普通の人よりも活発に働いて熱をつくっているということがわかっています。呼吸法による酸素の取り込みが、発熱を可能にしているのでしょうか。いずれにせよ、発熱には燃料が必要。どれだけ食べるのか、気になります。
■太りやすさは、生まれる前に決まる?
太りやすい人の身体では、エネルギー消費を節約する倹約遺伝子が作用しています。を作用させるためのスイッチが、飢餓状態です。極端なダイエットなどで飢餓状態になるとこの遺伝子にスイッチが入り、エネルギーを節約。リバウンドを起こしやすくなります。
実はこのスイッチ、生まれる前から入ることがあります。
生まれた時の体重と、その後の健康状態を長期間観察したところ、母親が食事制限をして生まれた低体重児(2500グラム以下)は太りやすく、生活習慣病を発症しやすいことがわかってきました。
胎児の時に飢餓状態を感じて、倹約遺伝子のスイッチが入るらしいのです。
少し前まで、妊婦に関しては徹底した体重管理が行われていました。難産や、妊娠中毒症を防ぐためです。しかし、この研究を受けて、体重管理の基準が変わってきたようです。
先週からしばらく、今年一番の冷え込みと言われましたが、奈良はそれほど冷えませんでした。足の小指がしもやけになってしまったのが唯一の被害。まだ少し腫れています。
■しもやけとは
しもやけは、難しい言葉で言うと「凍瘡」。冷えて血行が悪くなることで、組織が腫れたものです(いわゆる凍傷は、組織が凍ったことによるもので、別物)。
私達の身体は、寒くなると脳や内臓を冷やさないため、身体の中央に血液を集めるようになっています。その結果、手足の先に血液が行き渡らず、しもやけになるのです。
■しもやけの原因は、人類の生き残り戦略!
現代人の感覚からすれば、しもやけにならないようにどんどん体温を上げて血液を送ればいいのに、と考える所。しかし、これは厳しい自然環境の中、生き残りをかけて獲得したメカニズムだそうです。
体温を上げるには、大量のカロリーが必要です。例えば、南極越冬隊では普通の大人の二倍のカロリーを食べているとのこと。
食料が乏しい冬、どんどん体温をあげたら、しもやけにならない代わりに餓死してしまいます。死ぬよりは手足をしもやけにするほうがマシ、という方向に人類は進化してきたのです。
■人体は、いまでも飢餓に備えている
生き残るためには、カロリーを節約しなくてはならない。人体は、この命題を再優先にしています。それは、体温だけの話ではありません。
例えば、一日寝て過ごすと、筋力が5%低下します。筋肉は存在するだけでカロリーを消費しますので、必要がない状況ではすぐに分解されてしまうというわけ。
脳も同じ。頭を使わないと、脳の萎縮が早くなることが知られています。脳は全身で使われるエネルギーの20%を消費するほどの大食漢。使わないなら脳も減らしたい、と人体のメカニズムは考えるでしょう。
個人的には、身体が固くなるのも、ムダに大きい動きを減らそうというメカニズムの働きではないかと考えています。
進化の過程で出来上がったシステム。それに抵抗して、いかに機能を取り戻すか、柔軟に自由に動けるようにするか。それが、私たち治療家の仕事なのです。
早期発見、早期治療とは、医療の世界でよく言われることです。私たち治療家の間でも、早期治療が大事とされる症状が、いくつかあります。その一つが、ヒザ痛。
■痛みの軽い初期は、長く続く
通常、膝の痛みは違和感や軽い痛みとして始まります。この段階では、膝関節で起こっているのは軽い炎症で、関節の変形はほとんど見られません。
ときどき痛い、歩き出しだけ痛い、なんとなく重く、曲がりにくいという段階が、わりあいに長く続きます。
多くのヒザ痛の原因は関節のズレ、足の歪みなどで、この間に足などを調整して荷重を平均化すると、痛みが消えるケースが多いです。
■関節が変形し始めると、進行が速い
変化が加速するのは、関節の軟骨が、ある程度減ったところ。とくに、内側の軟骨が減って、O脚が目立ち始める頃です。
関節面が摩耗するほど体重の集中もひどくなるので、摩耗が一気に進み始めます。ある程度以上変形すると、鍼灸マッサージなどの手技療法では、痛みを減らすことしかできません。根治するには、手術が選択肢になります。
こうしたことを考えると、ヒザ痛は、できるだけ早い治療と保存が必要。まずは足を調整し、歩くなどして筋力を鍛えることが望ましいといえます。
■サプリメントの効き目は、人それぞれ
なお、膝関節に良いというサプリメントも売っていますが、今のところ医学的に効果を証明するデータはないようです。
患者さんに聞いても「効いた」という人と「効かなかった」という人がいましたので、まずは少量から試してみて、様子をみるのが良いかと思います。
このところ、トリガーポイント鍼療法のことで、お問い合わせを頂くことが増えました。
■トリガーポイント鍼治療とは
鍼治療といえば東洋医学、という印象ですが、トリガーポイント鍼療法は、現代医学の理論によるものです。
トリガーポイントを簡単に説明すると、筋肉のコリが極端に強くなった部分。血液の流れが悪くなったため自然には回復できない塊(硬結)となって、動いたり、圧迫が加わると、痛みを発します。痛みの引き金(トリガー)になる場所(ポイント)ということで、この名前がつきました。
そこで、このトリガーポイントを治せば痛みが消える、というのがトリガーポイント治療の基礎理論です。
治療としてはマッサージや指圧、病院なら注射による方法もあるのですが、なんといってもメインは鍼治療です。
痛みの引き金となる筋肉のコリに鍼を打ち(刺し)、数分おいて、筋肉を緩ませます。
■トリガーポイント治療の長所と短所
長所は、即効性と確実性です。筋肉のコリという物理的な対象を治療するので、治療した分だけ症状が改善します。仕事など、日常で生じる痛みの定期的メンテナンスとして、優れた力を発揮します。
つぎに短所…というよりも、使い方の問題について。
トリガーポイントは習慣や歪みによって生じたコリの強くなったもの。「原因か結果か」といえば、結果だと言えます。つまり、原因となる歪みなどを一緒に治す必要があります。
八起堂では、特に腰痛の治療でトリガーポイント鍼治療を多用します。合わせて骨盤(仙腸関節)の調整、足の歪み調整、腰椎の可動性を回復させる治療などを行い、ほとんどの場合、その場で痛みが軽減します。
首のコリ、それも頭と首の境目のコリで、悩んでいる方はたくさんいらっしゃいます。苦しいし、頭痛を起こすこともありますし。
■首と頭の境目は、どこ?
私たちは、自分の身体を動かすとき、どう動いているかというイメージを持っています。このイメージにズレがあると、コリや痛みの原因になることがあります。
たとえば、首と頭の境目はどこにあるでしょうか?
いろんな人に聞いてみると、アゴの高さよりも少し上くらいをイメージする人が多いのです。しかし、実際の境目は、もっと上!
耳の下を触ると、少し出っ張った骨があるのがわかりますね。実は、その高さが首と頭の境目。ついでに言うと、前後の位置も、この左右の骨の間。思ったより前にあるな、と思いませんか?
この部分、靭帯や筋肉の層が厚く、あまり動くイメージがありません。しかし、実際には首を左右に回すなどの動きで、重要な働きをします。
首を左右に回すのも、前後に曲げるのも、この位置から動かせると思うと、動き方がかわります。
左右の耳の下に手を当てながら、境目を意識して首を動かしてみましょう。普通の時よりも大きく動かせませんか?
■動かすだけで、コリは減る!
このように首と頭の境目のイメージを変えると、動きが増えて緊張がとけます。
先日いらした、患者さんでは、この動きを少し練習していただくだけで、みるみるうちに首が柔らかくなってゆくのが分かったほど。
とはいうものの、この部分は、靭帯が厚く、筋肉層の重なりも多いので、組織の部分が貼りつきやすいところでもあります。とくに第一頚椎周辺は、固くなりやすい傾向がありますね。
何度か試して、それでもコリや痛みが残る場合には、頚椎が貼り付いたまま、固まっていることがあります。
首の後をなでてみて、骨の凸凹が不揃いな場合は、頚椎の関節か、周りの筋肉が固まって、動かなくなっている可能性があります。そこを中心として首のコリが発生するので、癒着をとる治療をしたほうが良いでしょう。お気軽にご相談ください。
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膝関節、股関節などの関節がすり減って、痛みが出る変形性関節症。多くの治療法のあと、最後の手段が人工関節置換術。セラミックやチタンで出来た人工関節を埋め込む手術です。
すり減った関節がまるごと入れ替わるので、もう関節が痛むことはないはず。
ところが、人工関節の手術後も、痛みが続く方がいらっしゃいます。どうしてでしょうか?
■続く痛みは、傷跡が原因
人工関節の手術では、関節の周りの筋肉や、靭帯を切断し、そこから関節の入れ替えを行います。何重にも重なった組織を切り、元通りにつなぎ合わせるのですが、切った傷跡が固くなったり、くっついたりしてしまうことが。
つまり、痛んでいるのは関節ではなく、傷跡なのです。
予防のためには、手術の後のリハビリが重要。固くなる前に動かすことで、ある程度予防することができます。
では、すでに痛みが出るようになってしまった場合は?
■治療には、ストレッチとマッサージ、鍼
痛みを治すには、この固くなった組織を柔らかくすることが必要。手軽な方法は、ストレッチとマッサージ、そして鍼です。
自分でやりやすいのは、ストレッチ。縮んで固くなった組織を伸ばすことで、痛みの発生を抑えられます。大事なのは、弱く、時間をかけること。
軟部組織は、時間をかければ弱い力でも伸びます。痛みが出る寸前くらいの軽い負荷で、1~2分くらいかけてストレッチします。
マッサージは、何層にも重なった筋肉や皮下組織どうしの癒着を解消します。少しコツが必要なので、治療院で。
それでも取れない、深いところの組織の固さをとるには、鍼が有効です。邪魔している場所に何度も打つことで、繊維の固さがとれてきます。
手術後の痛みも、我慢する必要はありません。まずはストレッチを試して、それでも痛みが残る場合には、間接リリースの施術をお試し下さい。
膝関節痛は、年齢とともに増えてくる症状です。
一般的に、膝痛といえば、すぐに変形性膝関節症かと言われますね。膝の軟骨がすり減って変形する症状です。
しかし、膝痛の原因はそれだけではないようです。
あまり変形していないし、水も溜まっていないのに膝が痛む人も少なくありません。そうした方の治療は、どのようにすれば良いのでしょうか。
■治療は、膝関節の正常な動きを回復すること!
膝関節は、実はかなり特殊な関節です。二つの骨が向き合うという単純な構造ながら、180度近くの屈伸範囲、滑りと転がりを同時に行うという動きは、この関節だけのもの。滑り移動する距離の大きさも、全身の関節で最大です。
問題は、この滑り移動の障害で発生します。
膝関節の曲がりは、すねの骨(脛骨)が後ろに向かって滑ることによって実現されています。
しかし膝の痛む方では、すねの骨が十分に移動せず、途中で止まったり、抵抗が強くなる方が多いのです。これは関節周辺の癒着によるもので、関節が不自然な動きを起こすことで、痛みを発生します。
また、関節の内側や外側の一方だけが移動せず、すねが微妙にねじれて痛みをだしているケースも。
このような症状は、膝関節周辺の癒着を取り、正常に動くようにすることで改善されます。不思議な事に、変形性膝関節症と言われた方でも、関節の動きを改善することで、痛みが軽減したケースは少なくありません。
■自分に合った治療を続けましょう
膝痛には、様々な治療法があります。
いわゆる膝強化運動や、サポーター。整形外科の治療では、痛みを起こしている膝にヒアルロン酸を注射する方法などがあります。
自分なりに試してみて、効果のなかったものはやめ、効果のあったものを続けて使うことをおすすめします。
もし、納得のゆく治療に出会えない時には、膝関節の癒着が原因かもしれません。膝関節の動きを回復させる治療も、選択肢に入れてみて下さい。
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